あなたとつくる、再生医療の今とこれから

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あなたとつくる、再生医療の今とこれから


シンポジウムでは理化学研究所の高橋政代先生が「再生医療のリスクとベネフィット」というタイトルで講演された。リスクとして3点を挙げられた。
1.細胞のリスク(遺伝子)
2.治療のリスク(免疫抑制剤)
3.患者の持つリスク(リスクがあるから様子見するという不作為のリスク)
ベネフィットとして網膜色素変性症患者に対する視細胞の移植を挙げられた。
以下は当日配布された資料の抜粋である。

視機能再生のための複合組織形成技術開発及び臨床応用推進拠点

網膜は目の一番奥にある膜状の組織である。その中にある視細胞は光情報を電気シグナルに変換し、その情報は網膜内の他の細胞を経て脳に伝えられ物を見ている。
網膜は神経網膜とそれを維持するための網膜色素上皮細胞というシート状の組織からなっている。
網膜色素変性は視細胞が編成する疾患、加齢黄斑変性は網膜色素上皮細胞の機能低下により新生血管が生えて視細胞が二次的に変性し視力が低下する。
理化学研究所ではiPS細胞から移植用の視細胞や網膜色素上皮細胞を作り、これらの疾患に移植する技術を開発してきた。加齢黄斑変性に対して網膜色素上皮細胞の移植治療のヒトでの安全性を確認した。
視細胞についても動物実験で光の分らないマウスが移植後に光が分かるようになることを示し、現在ヒトでの臨床研究をはじめようとしている。視細胞と網膜色素上皮細胞はお互い支え合う関係にあり、これらの疾患は進行に伴い視細胞、網膜色素上皮細胞に変性することから最終的にはより広い適応を目指して視細胞と網膜色素上皮細胞の複合シートの移植を目標に研究を進めている。     
 
 
網膜の構造

網膜の構造1

網膜の構造2

網膜の構造2


 

京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は特別講演で「iPS細胞 進捗と今後の展望」というタイトルで話された。
患者自身の細胞からiPS細胞を作製するのは金と時間がかかるのでストック事業を進めている。現在では、日本人の40%をカバーする遺伝子を持ったiPS細胞がストックされている。

iPS細胞ストック

iPS細胞ストック

計画の概要

計画の概要

 


高田忍(2020,02,10)

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