ワクチン接種のたび異変、因果関係は不明

<ユースク> 

目に持病50代女性、3回目どう判断 「ワクチン接種のたび異変、因果関係は不明」

2022年1月11日 05時00分 (1月11日 05時01分更新)

1月11日付の中日新聞の記事を送ります。50代の加齢黄斑変性の患者がワクチン接種後に副反応が出たという記事です。これは愛知県在住の会員から送られてきた情報です。高田 忍

 

ワクチンの3回目接種への不安を語る女性=名古屋市内で

 「ワクチンを打つたびに持病が悪化しました。主治医に相談しても因果関係は分からない。三回目接種は不安で断ろうか迷っています」。こんな投稿がユースク取材班に寄せられた。新型コロナウイルスの変異株オミクロン株感染が急拡大する中、各地で進む追加接種。一方で体への影響に、もやもやした不安を抱く人はいるはず。どう向き合えばいいのだろうか。 (石井宏樹)

 投稿したのは、愛知県内の医療機関で働く名古屋市在住の五十代のパート女性。十年ほど前から「加齢黄斑変性」と呼ばれる目の病気で、視界の端が強くゆがんで見える状態が続く。

 女性によると、昨年四月にファイザー製ワクチンを接種したところ、翌日から左目に異変が出た。いつもの視界のゆがみとは異なり、視野の中の直線が波打って見えるようになったという。「初めての違和感に戸惑ったが、タイミングは偶然かもしれない」と考えた。眼科で薬を注射してもらうとゆがみは治まった。

 同五月に二回目を接種。すると、再び左目の視野の直線がゆがんで見えるようになった。その際も薬を注射。眼科の主治医にワクチンの影響を尋ねてみたが、分からずじまいだった。

 目の治療に使った費用は十万円以上という。女性は「『また起こったら』と考えると怖い。身体的な負担や高額な医療費を考えると、三回目は正直、打ちたくない」と打ち明ける。

 ワクチン接種後、多くの人が経験する倦怠(けんたい)感や発熱などの副反応。一方で因果関係は分からないものの、典型的な副反応とは異なる違和感や体調の変化などに悩んだ人は、追加接種にどう向き合えばいいのか。

 ワクチンに詳しい藤田医科大医学部の吉川哲史教授(60)は三回目の接種の効果は大きいとした上で、メリットとデメリットについてさまざまな観点から主治医と相談することを勧める。

 例えば、今回の女性の場合は二回接種済みで一定の免疫は獲得している。高齢、肥満や糖尿病など重症化リスクもない、といった状況にある。「年齢や健康状態、周囲の感染状況などを考慮し、十分に納得した上で決めるべきだ。本人が不安を感じているなら打たない選択肢もある」と話す。

 オミクロン株は、デルタ株に比べて重症化する割合が低いとの見方もあり「流行状況や重症度の割合などに関する最新情報をもとに、主治医と相談することが望ましい」と説明する。

 女性のケースのように接種後に起きた因果関係を問わない好ましくない医療上の出来事は「有害事象」と呼ばれ、因果関係が明確な副反応とは区別される。ただ、病院を通じ、国の審査機関「医薬品医療機器総合機構」に有害事象の情報を上げる仕組みもある。同教授は「もし同様の事例が多く集まれば調査の対象になる可能性がある」と話す。

 

未接種差別、各条例で禁止

 新型コロナウイルスワクチンを巡っては、体質などさまざまな事情で接種できなかったり、接種しない判断をしたりする人が一定数いる。そうした未接種者に対する差別を条例で禁じる自治体が相次いでいる。

 愛知県大府市は昨年九月、感染症対策条例を改正。予防接種を受けていないことを理由に、差別的な取り扱いや誹謗(ひぼう)中傷を「してはならない」と明記した。担当者は「ワクチン接種が進むほど、接種の有無が差別の対象になりかねないと判断し、あえて分かりやすいようにした」と説明。高知県もワクチン未接種者を対象に明示し、条例に差別の禁止を盛り込んでいる。

 岐阜、三重、長野県の条例には、感染症への対策を講じていないことや、感染の疑いを理由とする差別を禁止する規定がある。三県は対象者にワクチン未接種者を具体的に明示していないが、未接種者が含まれると解釈しているという。いずれも罰則はない。

髙田 忍

追記 記事の女性と同じような症状が出た方はご連絡ください。

あすてらす一筋の光、萎縮型にも治療法が

あすてらす一筋の光、萎縮型にも治療法が

BSテレビ東京「どう変わる?日本のヘルスケア」

 

 武田一恵さんが8月22日に放送されたBSテレビ東京の「どう変わる?日本のヘルスケア」という番組に出演しました。

 アステラス製薬が加齢黄斑変性萎縮型の遺伝子治療の研究を進めていることが放送されました。テレビ局から症状と付き合いながら生きている患者の実際の生活を紹介するので、会員の紹介要請がありました。

 テレビ局の求めに応じて、取材対象者を紹介できるのは、友の会の大きな力です。

 

 

 

 

 

 番組の中で、武田さんの次のような言葉が放送されました。

 

ルーペを使うと(視力)0.1ちょっと見える

新聞を読もうとしても何にも見えない

「薬も何にもないよね」で終わり

これでピアノ終わりかなと思った

両方でパッと弾きたいのに何で見えへんねんって感じ

一回両目でまともに見たい

 

 7月26日に大阪市中央公会堂で開催した定例会で、武田さんがピアノ演奏したシーンも奏でられた音楽とともに放送されました。

 画面右下に「提供NPO法人黄斑変性友の会」の説明があります。

 

 

友の会未加入の方へ

放送の内容をご覧になりたい方は入会手続きをしてください。DVDをお貸しいたします。

 

NHKの放送案内 Eテレ「きょうの健康」

NHKの放送案内 Eテレ「きょうの健康」

NHKのEテレ「きょうの健康」で、今週「視界スッキリ網膜」というテーマで加齢黄斑変性など、網膜の病気が放送されます。

 

加齢黄斑変性 (再)10月19日(月) 午後1時35分~1時50分

     https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2020101215142?t=8

     (一週間パソコンで視ることが出来ます)

糖尿病網膜症    10月13日(火) 午後8時30分~8時45分

       (再)10月20日(火) 午後1時35分~1時50分

網膜剥離      10月14日(水) 午後8時30分~8時45分

       (再)10月21日(水) 午後1時35分~1時50分

病的近視      10月15日(木) 午後8時30分~8時45分

       (再)10月22日(水) 午後1時35分~1時50分

(再): 再放送

Eテレの医療番組「チョイス」で11月に加齢黄斑変性放送

Eテレの医療番組「チョイス」で加齢黄斑変性、最新治療情報が放送されます。

放送日時は11月14日(土) 午後8時から8時45分

再放送は11月20日(金)  午後0時~0時45分

番組の制作に当たっては友の会が全面的に協力しました。(髙田代表が出演されます。事務局)

代表世話人 髙田 忍

加齢黄斑変性の患者が通院していると思われる主な病院の情報

加齢黄斑変性の患者が通院していると思われる主な病院の情報

新型コロナウィールス

新型コロナウィールスに関連して。加齢黄斑変性の患者が通院していると思われる主な病院の情報をまとめました。

(情報源:各病院のホームページ)

4月25日現在、病院関係者や入院患者に感染者がいる病院は次の通り。

神戸赤十字病院(兵庫、院内感染24名)

住友病院(大阪、入院患者1名)

京大病院(研修医多数が濃厚接触者として自宅待機中)

滋賀医大病院(滋賀、看護師1名)

慶応大学病院(東京、永寿総合病院からの転院者、初期研修医に集団感染)

日本大学病院(東京、医師1名)

杏林大学病院(東京、医師3名、うち2名退院)

神戸アイセンター病院(兵庫)隣接する神戸市立中央市民病院で多数の感染者が出ています。

 

どの病院も病院入口での手指消毒、マスク着用を求めています。

病院によっては問診や体温検査をするところがあります。

新規外来を制限している病院もあります。

詳しくは各病院のホームページをご覧ください。

髙田 忍 2020/04/27

再生医療公開公開シンポジウム開催

再生医療公開公開シンポジウム開催

会員の皆様にお知らせ

(当会は難病情報センターホームページに連絡先掲載

インターネットライブ配信予定 

東京以外の会員の方はライブ配信で見ることができる予定です。  

https://www.amed.go.jp/news/event/RMsympo2019.html

なるほどthe再生医療

なるほどthe再生医療

国立研究開発法人日本医療研究開発機構、戦略推進部 再生医療研究課より、再生医療研究において世界トップクラスの研究者が一般市民に向けてその研究内容をわかりやすく伝える場として、下記のとおり、「令和元年度AMED再生医療公開シンポジウム」を開催されます。

 当会にご案内いただきましたので、皆様へのご周知と、参加申し込みの上ご参加されるよう依頼を受け下記に詳細を掲載いたします。


催 事 名: 令和元年度AMED再生医療公開シンポジウム
日   時:令和2年2月5日(水)13:00~18:00(開場12:00)
場   所: TKPガーデンシティ品川ボールルーム

(東京都港区高輪3丁目13-3)
参 加 費:無料
定      員:1000名(申込先着順)※車いす専用のお席は、数に限りがございます。
主   催:国立研究開発法人日本医療研究開発機構
申 込 方 法:令和元年12月 9日(月)10時から

 

お聞合せ先
    再生医療公開シンポジウム事務局((株)博秀工芸内)
TEL:03-5818-5916(10:00~19:00、土日祝は除く) FAX:03-3834-4390
     E†mail:rm-sympo-2019@hakushu-art.co.jp
             AMEDウェブサイト
https://www.amed.go.jp/news/event/RMsympo2019.html

講演内容

事業説明

齋藤 英彦 再生医療実現プロジェクト プログラムディレクター/国立病院機構 名古屋医療センター 名誉院長

講演

「網膜再生医療のリスクとベネフィット」

高橋 政代 理化学研究所 客員主管研究員

「バイオ3Dプリンタを使って細胞だけで人工血管をつくる」

中山 功一 佐賀大学 医学部附属再生医学研究センたー 教授

「ヒューマン・オルガノイドが拓く新しい医療」

武部 貴則 東京医科歯科大学 総合研究機構 先端医歯工学創成研究部門 教授

「iPS細胞が変えていく免疫細胞療法」

古関 明彦 理化学研究所 生命医科学研究センター チームリーダー

「再生医療の研究成果を適切に患者さまのもとにお届けするには」

畠 賢一郎 再生医療実現プロジェクト プログラムオフィサー/日本再生医療学会 理事

特別講演

「iPS細胞 進捗と今後の展望」

山中 伸弥 京都大学 iPS細胞研究所 所長/教授

特別セッション(「PPI(患者・市民参画)と再生医療」)

「社会と一緒に未来を作る」

レクチャー

八代 嘉美 神奈川県立保健福祉大学 教授/慶應義塾大学 医学部 訪問教授

パネルディスカッション

モデレーター

八代 嘉美 神奈川県立保健福祉大学 教授/慶應義塾大学 医学部 訪問教授

パネリスト

山中 伸弥 京都大学 iPS細胞研究所 所長/教授

高橋 政代 理化学研究所 客員主管研究員

畠 賢一郎 再生医療実現プロジェクト プログラムオフィサー/日本再生医療学会 理事

東島  仁 山口大学 国際総合科学部 准教授

坂井 めぐみ 立命館大学 衣笠総合研究機構 専門研究員

 

 

申込書

申込書

なるほどthe再生医療シンポジュウム申込書pdfファイル

 

朝日新聞及びデジタル版 取材 髙田代表の意見 記事掲載

<朝日新聞及びデジタル版 取材 髙田代表の意見 記事掲載>

 

iPS網膜「移植1年経ち安全性確認」 最大の壁を突破

2019年4月18日21時18分

iPS細胞を使った主な臨床研究の進捗

iPS細胞を使った主な臨床研究の進捗

 理化学研究所などは18日、他人のiPS細胞から作った網膜細胞を、失明のおそれがある目の病気「加齢黄斑変性」の患者5人に移植した臨床研究について、移植1年後でも懸念された細胞の腫瘍(しゅよう)化や大きな拒絶反応はなく、安全性を確認したと発表した。実用化に向け、最大の障壁の一つを越えた形だ。

 理研の高橋政代プロジェクトリーダーが日本眼科学会総会で報告した。様々な組織の細胞に変化できる他人のiPS細胞を使う移植で、1年間の安全性を検証した報告は初めて。ヒトのiPS細胞ができて11年余りたち、高橋さんは「安全性を確認する目的は達成された。(実用化の)7合目まで来た」と話す。

 研究チームは2017年3~9月、iPS細胞から変化させた約25万個の網膜細胞を液体に入れ、60~80代の男性5人の目に注射で移植。多くの人で拒絶反応が起きにくい型のiPS細胞を使い、それに合う患者が選ばれた。

 研究の主目的は安全性の確認。移植した細胞は腫瘍化せず定着し、1人で軽い拒絶反応があったが、薬で治まった。5人とも視力は維持されているという。

 今回の報告について、再生医療に詳しい東京医科歯科大の森尾友宏教授は「大きな成果。ランドマーク的な仕事」と評価する。「今後は有効性をどこまで高められるかがポイントだろう」と話す。

 民間企業のヘリオスと大日本住友製薬iPS細胞を使い、加齢黄斑変性の患者へ移植する治験など、企業治験が予定されている。大日本住友製薬は、22年度に製品化することを目標としている。

 ヒトの皮膚や血液からiPS細胞を作るには、多額の費用がかかる。大阪大の紀ノ岡正博教授(生物化学工学)によると、製造コストや期間を減らすには、今回のように、あらかじめ健康な他人の血液から高品質iPS細胞を作り、それを増やして備蓄するのが現実的という。様々な型のiPS細胞をそろえれば、患者に合ったiPS細胞も選べる。実際、現在多くの臨床研究は、他人から作ったiPS細胞を使っている。

 関西黄斑変性友の会の代表世話人をする兵庫県西宮市の高田忍さん(77)によると、会員アンケートで約7割が、将来のiPS細胞による治療を望んでいるという。「現時点では過度な期待をする段階ではない」とした上で「今は定期的に目に注射をして治療しているが、注射の必要がなくなるなら、安心する患者も多いのではないか」と話す。(後藤一也)

加速する移植の研究

 iPS細胞を使った再生医療の臨床研究は、多くの大学や研究機関で進みつつある。ほかに有効な治療法がない病気の患者らの期待は大きい。

 加齢黄斑変性の他に、iPS細胞を変化させた細胞の患者への移植まで進んだのは、京都大のチームによるパーキンソン病の治験だ。薬で症状を十分にコントロールできない患者計7人に移植し、安全性や有効性を調べる。

 また今年度中に4チームが移植を予定している。大阪大が心臓と目の病気の患者にそれぞれ移植する。京都大は血液の難病「再生不良性貧血」、慶応大は脊髄(せきずい)損傷の患者への準備を進めている。

 東京大はヒトのiPS細胞を動物の受精卵が成長した胚(はい)に入れ、動物の体内で移植用のヒトの臓器をつくることを目指す。

 ほかに、治験を予定している企業もある。

 今回の加齢黄斑変性では安全性が確認されたが、ほかの臨床研究では、移植する細胞数が億単位と多いものもある。腫瘍(しゅよう)化しないかといった安全性や、有効性を慎重に確認することが欠かせない。実用化が近づくにつれ、費用をいかに下げられるかも一層課題となる。

(戸田政考)

 

髙田代表が掲載された朝日新聞版記事 (pdfリンク)

 

「滲出型加齢黄斑変性に対する他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液移植に関する臨床研究」

「滲出型加齢黄斑変性に対する他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液移植に関する臨床研究」

の移植後年の経過観察終了の報告について

概要

神戸市立医療センター中央市民病院、神戸市立神戸アイセンター病院、国立大学法人大阪大学医学部附属病院、国立大学法人京都大学iPS細胞研究所並びに国立研究開発法人理化学研究所が連携して実施した「滲出型加齢黄斑変性に対する他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液移植に関する臨床研究」(総括責任医師 栗本 康夫)に関して、移植後1年の経過観察を終了した旨の報告を、本日第123回日本眼科学会総会(場所:東京国際フォーラム)において下記の通り発表いたしました。

学会発表概要

総会名:第123回日本眼科学会総会(平成31年4月18日~4月21日)
会場:東京国際フォーラム(東京都千代田区)
発表日:平成31年4月18日
演題:加齢黄斑変性に対するHLA適合同種iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植
演者:髙橋 政代(理化学研究所、神戸アイセンター病院)
他11名の共同演者(理化学研究所、神戸アイセンター病院、大阪大学、京都大学)

発表趣旨(学会資料抜粋)

  • 平成29年3月から9月にかけて、滲出型加齢黄斑変性に対する他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液移植の安全性を確認する臨床研究を5例実施し、移植後1年の経過観察を全て終了した。
  • 全例において、他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞に対する免疫反応を、免疫抑制剤の投与なしに局所ステロイド投与のみで抑えることが可能であった。
  • HLA適合させた他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の移植後1年での安全性が確認された。
  • 詳細については、論文準備中。

参考情報

平成29年

2月2日

厚生労働大臣より再生医療等提供基準に適合との通知(会見済)

2月6日

臨床研究の開始及び被験者の募集の開始(会見済)

3月28日

1例目の移植手術の実施(中央市民病院)(会見済)

平成30年

1月15日

2例目の被験者に対し、追加手術を実施(会見・報告済)

平成31年

4月18日

移植後1年の経過観察終了(本プレス発表)

 

問い合わせ

神戸市立神戸アイセンター病院事務局
Tel: 078-381-9870 / E-mail:  e_kenkyu[at]kcho.jp  ※[at]は@に置き換えてください。

広報活動

http://www.riken.jp/pr/topics/2019/20190418_1/

iPS細胞から作った網膜の細胞移植「安全性確認」と発表

iPS細胞から作った網膜の細胞移植「安全性確認」と発表

201918 1213分NHK全国ニュース

iPS細胞から作った網膜の細胞を重い目の病気の患者に移植する世界初の臨床研究を行った神戸市の理化学研究所などのグループが、初めて詳しい経過を学会で報告し、移植から1年以上たっても目立った拒絶反応は見られないなど「治療の安全性が確認された」と発表しました。

理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーなどのグループは、おととし、拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞から作った網膜の細胞を、「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者5人に移植する臨床研究を世界で初めて行いました。



グループは18日、東京で開かれた学会で初めて、これまでの経過観察の結果を報告しました。

それによりますと、1人の患者にiPS細胞の移植によると見られる軽い拒絶反応を示す検査結果がでたものの、症状は見られず、全体として目立った拒絶反応は起きていないということです。

また、いずれの患者も移植した細胞ががん化するなどの異常はなく、「治療の安全性が確認された」と発表しました。

グループは、視力の回復など治療の効果についても引き続き調べることにしています。

高橋プロジェクトリーダーはNHKの取材に対し、「満足できる結果で、iPS細胞を使った治療の実用化に向けて7合目の位置まで来た」と話しています。

 

 

他人のiPS細胞移植、1年後も安全確認 理研など

後藤一也 2019年4月18日11時54 朝日新聞電子版

高橋 雅代プロジェクトリーダー

高橋 雅代プロジェクトリーダー

 

日本眼科学会総会で発表する理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダー=18日午前、東京都内

iPS細胞

iPS細胞

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 理化学研究所などは18日、他人からつくったiPS細胞を目の難病の患者5人に移植した臨床研究について、術後1年の経過を発表した。移植した細胞はがん化せず、強い拒絶反応もなかったことから、安全性が確認できたという。他人のiPS細胞を使った移植で、1年間の安全性を検証した報告は初めて。

 理研などの研究チームは2017年3~9月、他人のiPS細胞からつくった網膜の細胞を、失明のおそれがある網膜の病気「加齢黄斑変性」の60~80代の男性5人に移植した。他人のiPS細胞は患者本人のものに比べ、費用や準備期間を抑えられる。

 東京都で同日始まった日本眼科学会総会で発表した理研の高橋政代プロジェクトリーダーによると、移植した細胞はがん化することなく、1人に軽い拒絶反応があったものの、薬を使ったところ治まった。移植した細胞は5人とも定着しているという。

 高橋さんは「目的は達成された。これで他人のiPS細胞の安全性は確認できた」と話す。今後、治療の実用化に向け企業で治験が始まる予定だ。加齢黄斑変性以外の病気の臨床研究も進めるという。(後藤一也)

     

 〈iPS細胞人工多能性幹細胞)〉 皮膚や血液などの細胞に特定の遺伝子を導入し、心臓や神経、肝臓などさまざまな細胞になれる能力を持たせた細胞。無限に増やすことができる。山中伸弥・京都大教授らが2006年にマウスで、07年にヒトの細胞で作製に成功。山中氏は12年、ノーベル医学生理学賞を共同受賞した。iPS細胞を使った再生医療の研究は世界で広がっている。病気の仕組みの解明、創薬研究など幅広い応用も期待されている。


目の難病に他人iPS、1年後の安全性初確認…理研・高橋政代氏

読売新聞電子版

目の難病患者に対し、他人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から網膜の細胞を作って移植する臨床研究を進める理化学研究所の高橋政代・プロジェクトリーダーは18日、患者5人への移植から1年を経ても目立った拒絶反応や副作用は確認されなかったと発表した。他人のiPS細胞を用いた移植で、1年にわたって安全性が示されたのは初めて。

 発表によると、5人中1人に軽い拒絶反応がみられたが、抗炎症薬の注射で治まった。治療しないと視力が徐々に低下する恐れがあったが、移植した細胞は1年後も残り、全員の視力が維持されているという。

 他人のiPS細胞は京都大が備蓄しており、患者本人から移植ごとにiPS細胞を作るよりコストと時間が大幅に削減できる。このため、パーキンソン病(京大)や心臓病(大阪大)、脊髄損傷(慶応大)などの治療計画も進んでいる。

 

2019年4月18日

阪神シニアカレッジ公開セミナー

阪神シニアカレッジ・リレー公開セミナー(第3 回)

網膜再生医療の現場から

~iPS細胞による移植再生治療の今~

11月21日(金) 13:30~15:00

宝塚ソリオホール 

無料・申込不要・定員300名

当日先着順受け付け(13:00~)

常識を超えて未来の扉を開く

 iPS細胞の登場により近年注目を集めている「再生医療」は、障害されると再生しないと思われたいた生体組織の再生に道を開き、実用化に高い期待が寄せられています。

 今回の講演では、iPS細胞を用いて網膜疾患の仕組みの解明に取り組む現状と展望について研究者としての目線を交えながら紹介します。

講師 理化学研究所生命機能科学研究センター

網膜再生医療研究開発プロジェクト

研究員(理学博士) 大西暁士 氏

主催 兵庫県シニアカレッジ(健康学科)

講演 宝塚市。宝塚市教育委員会・兵庫県阪神北県民局

【問】阪神シニアカレッジ ☎0797-85-8880

pdfファイル(リレー公開セミナー第三回)

加齢黄斑変性症の治験者募集

加齢黄斑変性症の治験者募集


加齢黄斑変性症の治験者の募集が、主な病院で行われています。

写真は、住友病院(大阪)の眼科の掲示板に貼られた募集ポスターです。現在の治療薬が高価であるため、より安価な治療薬が開発され、その治療薬の治験を行うものです。


対象は50歳以上で、治療経験のない人です。詳しくは、それぞれの病院に問い合わせてください。


「治験」とは、ポスターにも書かれているように、新しい薬が国(厚生労働省)で認められ、世の中に出されるために、患者の協力でその薬の有効性や安全性確認するための試験のことをいいます。


現在、認められている抗VEGF薬はルセンティスとアイリーアの二つです。いずれも高価であるため、加齢黄斑変性の患者にとっては、明るいニュースです。