75歳以上の方へ
75歳の誕生日を迎えると、社会生活上これ迄とは異なる扱いを受けることになります。なかでも健康保険と自動車運転免許が大きく変わります
1.健康保険について
(1)加入する健康保険
75歳になるまでは、多くの人は国民健康保険か協会けんぽに加入していました。75歳以降は後期高齢者医療保険に加入することになります。これは、だれでも加入が義務付けられる公的な保険です。
被保険者証はこれまでと違って紙の被保険者証に変わります。
(2)保険料
支払う保険料は各市役所から送られてきます。これには、算出根拠や月ごとの保険料の納付金額が書かれています。
(3)高額療養費の上限額
被保険者証には3割負担か1割負担かが記載されています。これは、同一所帯の後期高齢者医療の被保険者全員の住民税課税所得で決められます。
145万円未満が1割負担、145万円以上が3割負担です。
加齢黄斑変性の抗VEGF薬の注射をした場合のように一か月の治療費が高額になった時、自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給されます。
すなわち、平成29年は8月から1か月の自己負担上限額が1割負担の方は14,000円、3割負担の方は57,600円となります。
例えば、抗VEGF薬の注射をして、3割負担の方が57,600円の請求をされ支払ったとします。同じ月に同じ病院で内科の健診を受けた場合、新たに請求されることはありません。別の病院で支払った場合は、あらかじめ市に届け出た口座に振り込まれます。この手続きを忘れると時効になる恐れがあります。
57,600円という高額療養費を少しでもカバーするために、民間の保険会社の医療保険に加入することを考えている人がいるかもしれません。
テレビなどでよく宣伝しているので、興味があるかもしれません。その場合は、良く検討する必要があります。病名に「加齢」がつくと給付対象にならない保険があります。給付対象になる保険であっても、支払う保険料と受け取る給付金を比較、損得を計算して判断することをお勧めいたします。
2.自動車運転免許について
自動車運転免許の更新時のほぼ6カ月前に、各都道府県の公安委員会から「認知機能検査、高齢者講習のお知らせ」といハガキが届きます。今までの高齢者講習(講義)に先立ち、認知機能検査を受けなければなりません。
問題は、この認知機能検査が大変混み合っているということです。ハガキが届いたら直ちにハガキに記載の自動車教習所に電話して予約を取りましょう。具体的には、西宮市のある教習所の場合、予約が取れたのは4カ月先でした。
認知機能検査の後、講習、実技となりますので、あまり時間はありません。