関西ぶらり歴史散歩

関西ぶらり歴史散歩

最近訪れた関西の風景を写真でたどることにした。

兵庫:生野銀山
かつて銀で栄えた生野を訪れた。その日はイベントがあり、クラシックカーが展示されていた。三輪車から日本の産業の復興が始まった。

 

街には古い医者の建物が残っている。診察室の天井である。

江戸時代は天領で徳川幕府が支配していたが、明治には宮内庁が管理し、後に三菱に払い下げられた。鉱山の入口でフランス人の設計である。

採掘された銀の鉱石はこの道を通って播磨の港まで運ばれ船積みされた。

大阪:淀屋橋界隈
淀屋橋は江戸時代の豪商、淀屋に因んで名づけられた。写真は橋の上から北浜方面を撮ったで、かつては両岸に蔵屋敷が並び天下の台所として賑わった。

 

淀屋橋界隈には歴史的建造物が残されている。「友の会」の定例会の会場にもなる大阪市中央公会堂もその一つである。明治の株式仲買人岩本栄之助の寄付によって建てられたもので、来年で100年になる。


三階の特別室には日本神話の天井画が描かれている。

 

この付近には近代的なビルに並んで日本家屋が残っている。写真は幼稚園である。


付近には緒方洪庵の適塾もある。ここで日本の近代医学が始まった。

 

奈良:纏向遺跡と箸墓古墳
「まきむくいせき」と「はしはかこふん」と読む。纏向遺跡は三世紀に邪馬台国があったとされる場所である。近畿各地のみならず関東、東海、中国地方の土器が出土し古い日本の首都であったと考えられている。

 

纏向遺跡の近くには卑弥呼の墓という説のある箸墓古墳がある。前方後円墳の始まりである。



写真では木が生い茂っているが、当時は葺石という石で覆われていた。



この地域には多くの古墳がある。山の尾根を利用して造られたので、その向きは一定しない。前方後円墳の後円に葬られた大王の頭は常に北の方角に向いている。

 

滋賀:大溝城と清水山城
近江には信長が築いた水城が四つある。大溝城はその一つで、当時この地を支配していた浅井長政を討った後に築かれた。JR湖西線近江高島駅の東側にある。



この付近はかつて勝野津という港があり交通の要衝であった。万葉集にも歌われている。

 

珍しいものを見た。写真はサイフォンを利用した上水道である。太いパイプが山から引いた湧水を流し込むもので、細いパイプで各家庭へ送られる。今も使われている。
商人が住んでいた町である。道に真中に溝が流れている珍しい光景が残っている。

 

清水山城は鎌倉時代にこの地を支配した佐々木氏の城であった。戦国時代になって湖北と湖西高島を支配していた浅井長政の最後の砦となった山城である。攻め寄せる信長軍と戦わずして一日で落城した。
石垣はなく土塁であった。

 

主郭からは琵琶湖が一望できる。正面は伊吹山でその左に浅井長政の居城小谷城があった。

京都大学山中伸弥教授と高橋政代先生の 二つの講演から

二つの講演から  髙田 忍

10月14日関西テレビ、なんでもアリーナで京都大学山中伸弥教授の、10月1日日本ライトハウス展で理化学研究所の高橋政代先生の講演を聞いた。その要約を記す。

 

山中伸弥教授 「iPS細胞の研究10年」

 2007年にヒトの皮膚細胞に4つの遺伝子を加えiPS細胞を作ってから10年になる。iPS細胞の特徴は無限に増えることと、脳や心臓など様々な細胞になることである。iPS細胞の研究は再生医療と薬の開発である。

 再生医療としては、理化学研究所の高橋政代先生が2014年に加齢黄斑変性の患者にシート状のiPS細胞を移植したのが初めてである。3年経った現在経過は順調である。この患者のiPS細胞は患者本人の細胞から作ったものである。患者の細胞から作るのは、二つの問題がある。品質評価に時間がかかることと、費用が掛かることである。

 そこで、今年の2月から臨床研究している患者は他家細胞という他人の細胞から作田tものを移植した。ただ、他人の細胞といっても免疫性の問題がある。免疫の方が異なると排除する。しかし、何百人に一人の割合で誰にでも適合する遺伝子を持った人がいる。この人を刈りにスーパードナーと呼んでいる。二名のスーパードナーから日本人の24%をカバーできる。このような人14名から同意を取り付けた。54%カバーできることになる。

 現状の研究レベルは富士登山に例えれば、バスで行ける5合目に過ぎない。この先に難所が待ち構えている。

 問題は研究に携わる人の大半が非正規雇用であることだ。正規雇用にするためには安定した研究費が必要になる。そこで、アメリカの研究機関のように寄付で賄えるようにしたい。協力をお願いしたい。

 

iPS細胞研究所ホームページ http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/

 

高橋政代先生「神戸アイセンターについて」

 来る12月1日に神戸アイセンターが開設される。場所は神戸のポートアイランド、理化学研究所と神戸中央市民病院の間にある。

 私がこれまで研究してきた再生医療は手段であって目的ではない。先端的な研究をするには一般的な医療と合体して進めなければならない。ロービジョンケアの窓口になる。

 再生医療と対をなすロービジョンケアを広め、isee!運動で就労支援、視覚障害に対する意識の改革を行うことが必要であり、それが真の再生医療につながる。

 このisee!運動は「社会から支えられる」側だった視覚障害者に「社会を支える」側になってもらうため、すべての人の「視覚障害者」に対する意識を変革する運動である。

 NEXTVISION という団体が運営する。神戸アイセンター二階にはビジョンパークが開設される。ここではさまざまな活動を通じて楽しみながら学び考えることが出来る。

 事務局から:神戸アイセンターが開設されたら、訪ねてみてはいかがでしょうか。

NEXTVISIONホームページ https://nextvision.or.jp/

 

講演終了後質疑応答があり質問した

髙田質問

 2月に神戸中央市民病院で臨床研究をするとの発表を受けて、会員にアンケート調査をした。回答者の半数は募集条件に適合しない、残り半数は不安があるとの結果であった。不安を払しょくする方法はあるか。

高橋先生の回答

 不安があって当然である。臨床研究は治療を目的とするものではない。患者は体力を必要とする。新しい医学の発展に寄与するとの気構えを持った人が求められる。

NHK放送予告 きょうの健康 今さら聞けない!目の病気「加齢黄斑変性」

NHKの健康番組の予告 10月16日 月曜

午後1時35分~ 午後1時50分

再放送は

10月18日 水曜

午後1時35分~ 午後1時50分

きょうの健康 今さら聞けない!目の病気「加齢黄斑変性」

加齢により、網膜に異常が生じて起こる目の病気。見たいと思う部分がゆがんだり、ぼやけたりして見えにくくなり、放置していると失明の危険も。

滲出(しんしゅつ)型と萎縮型の2つのタイプがあり、日本人の約90%は滲出型。網膜の周囲に新生血管と呼ばれる異常な血管が生じることで、黄斑部が障害され、ものが見えにくくなる。

滲出型の治療は近年進歩しており、高い効果が期待できる。生活習慣の改善による予防も大切。

 

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高齢運転者(70歳以上)の免許更新手続き

高齢運転者(70歳以上)の免許更新手続き

今年(2017年)3月12日から、高齢者運転者の免許更新手続きが改正されました。下の図は警視庁のホームページからダウンロードしたものです。

高齢者運転免許更新

高齢者運転免許更新

1.75歳未満

更新期間が満了する日において、75歳未満の人は合理化講習(2時間)の後、免許更新される。

 

2.75歳以上

75歳以上は高齢者講習に先立ち認知機能検査を受けなければならない。

認知機能検査の結果が76点以上は75歳医未満と同じ合理化講習を、49点から75点は高度化講習、48点以下は医師の診断を受け高度化講習を受けるか、または認知症と診断された場合は免許取り消しの対象になる。

下の写真は兵庫県公安員会からのお知らせである。右の中央部分に検査の総合点についての説明があるが、真ん中の「49点~75点以上」は明らかに「49点~75点以下」の誤りである。

 

運転免許更新通知書

運転免許更新通知書

3.認知機能検査は記憶力、判断力の検査。検査時間は約30分である。

5問出題される。問題用紙、回答用紙と鉛筆が配られる。

(第一問)検査日の年月日、曜日、時間を記入する。検査開始前に時計を外すようにいわれる。

 

続いて正面のディスプレイに合計16枚の絵が映し出される。一画面に4つの絵が出され、全部で4つの画面が映される。

例えば、最初の画面では4つの枡の中に大砲、ラジオ、タケノコ、バラが描かれている。係員が、「電気製品は」と聞くので声を出して「ラジオ」と言って覚える。声を出すことは記憶の手助けになる。

 

(第二問)回答用紙には、一行に約10個の数字がならび、これが10行ほど書かれている。係員が黒板に例えば「1,3」と書くので、その数字を消し込んでいく。続いて「6,7,9」を消す作業を行う。

 

(第三問)先に示された絵を思い出しながら、回答用紙に言葉で書く。順序不同で、ひらがな、カタカナ、漢字を問わない。

 

(第四問)回答用紙には「1.武器」「2.電気製品」などと書かれている。「大砲」「ラジオ」などと書き込んでいけばよい。

 

(第五問)白紙の回答用紙に文字盤の入った時計の絵を描く。係員が、例えば「11時10分」というので短針と長針の区別が分かるように書き込む。

 

4.認知機能検査の通知は、免許証更新時期の約6か月前に3枚つづりのハガキで送られてくる。

ハガキには認知機能検査を受けられる同じ都道府県内の自動車教習所のリストが書かれている。自動車教習所はどこも繁忙である。ハガキを受け取ったら直ちに予約する必要がある。兵庫県西宮市の教習所の場合、4月にハガキが届き認知機能検査を受けたのは8月後半になった。

 

5.認知機能検査は検査当日にはわからない。

後日ハガキが届くので、あらためて合理化講習、又は高度化講習の予約をする必要がある。

 

6.公安委員会での運転免許証更新の予約は必要ではない。

 

その後の経過

8月22日に受検した認知機能検査の結果は92点で、記憶力判断力は問題ないとの判定でした。

問題は次の段階の高齢者講習の予約が取れないということです。

受検した西宮は年内は予約でいっぱい、明石は11月末まで、淡路島は島内以外の者は受付不可で、ようやく姫路で予約が取れましたが、免許失効の三日前という綱渡りです。

公安委員会からハガキが届いたら、住所地の便利な所にこだわらず、早く受験できるところを選ぶ必要があることが分かりました。

08/26/2017

抗VEGF薬注射の費用

抗VEGF薬注射の費用

抗VEGF薬注射の費用は、次のように定められています。

 

3割負担

1割負担

ルセンティス

60,000円

20,000円

アイリーア

57,000円

19,000円

 

但し、75歳以上の後期高齢者に対して、一か月の上限額が決められていますので、表の額を支払うわけではありません。

一か月の上限額は、3割負担の方は,57,600円、1割負担の方は14,000円と定められています。

実際に支払う額は次の表のようになります。

 

3割負担

1割負担

ルセンティス

57,600円

14,000円

アイリーア

57,000円

14,000円

 

 

75歳以上になるとこう変わる 健康保険と運転免許証更新

75歳以上の方へ

 

75歳の誕生日を迎えると、社会生活上これ迄とは異なる扱いを受けることになります。なかでも健康保険と自動車運転免許が大きく変わります

 

1.健康保険について

(1)加入する健康保険

75歳になるまでは、多くの人は国民健康保険か協会けんぽに加入していました。75歳以降は後期高齢者医療保険に加入することになります。これは、だれでも加入が義務付けられる公的な保険です。

被保険者証はこれまでと違って紙の被保険者証に変わります。

保険証

保険証

 

(2)保険料

支払う保険料は各市役所から送られてきます。これには、算出根拠や月ごとの保険料の納付金額が書かれています。

決定通知書

決定通知書

 

 

(3)高額療養費の上限額

被保険者証には3割負担か1割負担かが記載されています。これは、同一所帯の後期高齢者医療の被保険者全員の住民税課税所得で決められます。

145万円未満が1割負担、145万円以上が3割負担です。

加齢黄斑変性の抗VEGF薬の注射をした場合のように一か月の治療費が高額になった時、自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給されます。

すなわち、平成29年は8月から1か月の自己負担上限額が1割負担の方は14,000円、3割負担の方は57,600円となります。

例えば、抗VEGF薬の注射をして、3割負担の方が57,600円の請求をされ支払ったとします。同じ月に同じ病院で内科の健診を受けた場合、新たに請求されることはありません。別の病院で支払った場合は、あらかじめ市に届け出た口座に振り込まれます。この手続きを忘れると時効になる恐れがあります。

月ごとの自己負担上限額

月ごとの自己負担上限額

 

 

57,600円という高額療養費を少しでもカバーするために、民間の保険会社の医療保険に加入することを考えている人がいるかもしれません。

 

テレビなどでよく宣伝しているので、興味があるかもしれません。その場合は、良く検討する必要があります。病名に「加齢」がつくと給付対象にならない保険があります。給付対象になる保険であっても、支払う保険料と受け取る給付金を比較、損得を計算して判断することをお勧めいたします。

 

 

 

2.自動車運転免許について

自動車運転免許の更新時のほぼ6カ月前に、各都道府県の公安委員会から「認知機能検査、高齢者講習のお知らせ」といハガキが届きます。今までの高齢者講習(講義)に先立ち、認知機能検査を受けなければなりません。

 

公安委員会からの通知

公安委員会からの通知

 

問題は、この認知機能検査が大変混み合っているということです。ハガキが届いたら直ちにハガキに記載の自動車教習所に電話して予約を取りましょう。具体的には、西宮市のある教習所の場合、予約が取れたのは4カ月先でした。

認知機能検査の後、講習、実技となりますので、あまり時間はありません。

 

病院の待ち時間

病院の待ち時間

1.二つの病院

75歳になった今、通院している病院が二つある。一つは京都の大学病院である。2010年9月から11月まで前立腺癌の放射線治療を受け、経過観察のために6カ月に一回の頻度で、血液と尿検査を受け、医師から説明を受ける。

もう一つは大阪の民間病院である。定年後痛風に罹った。尿酸値だけでなく中性脂肪やコレステロールの値が高い。3カ月に一回の頻度で血液と尿検査をして医師に薬の処方をしてもらう。どちらも検査内容は同じである。

 

2.受付から会計までの時間

京都の大学病院は6月2日に訪れた。診察券を読み取り機に入れ受付したのが9時30分で会計が終わったのが12時30分であった。一方、6月22日に訪れた大阪の病院は8時30分に受付し、支払いが終わったのは10時30分であった。同じ検査をしても、一時間の差がある。次のような比較表を作成した。

 

京都の大学病院

大阪の民間病院

病名

前立腺癌

痛風、生活習慣病

検査内容

尿検査、血液検査

尿検査、血液検査

受付から血液検査まで

45分

40分

血液検査から診察まで

1時間25分

1時間

診察終了から会計まで

50分

10分

 

3.待ち時間情報

大学病院の時間が長いのは、患者数が圧倒的に多いことが理由の一つである。しかし、会計の計算などは標準化すれば瞬時にコンピュータで計算出来るはずだが、なぜ50分もかかるのか理由が良く分らない。

長時間以上に困るのは、この大学病院では患者に待ち時間を知らせる仕組みがないことである。病院に着き診察カードを読み取り機に入れると、パナソニック製の呼び出し機が出てくる。この携帯電話のような機器から、患者ごとにメッセージが届く。「診察室前でお待ちください」「診察室にお入りください」「会計ができました」というメッセージが流れてくる。何分待つのかの情報はない。

驚いたことに、血液検査が終わってもいないのに「診察前でお待ちください」の表示がでた。

パナソニック製呼び出し機

パナソニック製呼び出し機

 

 

4.物理的時間と心理的時間

時間には、物理的時間と心理的時間がある。待ち時間が長いと感じるのは心理的時間が長いからである。あと何分待つのかという情報が与えられると、長時間待っても苦にならない。その間、本を読むなどのこともできる。

大阪の病院は心理的時間が短くなる様な工夫をしている。段階ごとに待ち時間が分かるようになっている。血液検査室には番号が表示され、待ち時間、待ち人数が表示される。

血液検査室前、番号と、右隅に待ち時間、待ち人数が表示

血液検査室前、番号と、右隅に待ち時間、待ち人数が表示

  

 

検査が終わると、次は診察を待つだけである。血液検査のために朝食を抜いてきた。朝食を食べるレストランにも診察番号が表示されるばかりでなく、スマホにも情報が提供される。診察が遅れると「30分遅れ」などの表示が出る。

スマホの番号表示

スマホの番号表示

  

診察室前、診察の遅れ「15分」が表示されている。

診察室前、診察の遅れ「15分」が表示されている。

  

会計も番号表示されるので、おおよその待ち時間を推定できる。

会計の番号表示

会計の番号表示

  

 

隣接する薬局も待ち時間を表示している。

薬局の表示、番号と待ち時間

薬局の表示、番号と待ち時間

  

 

5.同じパナソニックの呼び出し機

同じパナソニックの呼び出し機を使っている病院が他にもある。他人のiPS細胞を使って加齢黄斑変性の臨床研究をしている神戸中央市民病院である。ここでは、呼び出し機で「Cゾーンでお待ちください」の案内がされる。Cゾーンの待合室には番号表示番がある。そこで待っていると、間もなく「診察室前でお待ちください」の案内がある。確認ボタンを押して、暫くすると「診察室にお入り下さ」となる。問題は確認ボタンを押し忘れると、診察が後回しになることだ。

神戸中央市民病院の表示板

神戸中央市民病院の表示板

   

 

6.支払った医療費

支払った医療費は、京都の病院が3300円であった。ところが、同じ検査内容でありながら大阪の病院は無料であった。会計に何かの間違いではないかと聞くと、間違いではないという。今月初めに眼科で抗VEGF薬の硝子体内注射で44400円支払っていて、一か月の上限を超えているからとの説明であった。

 

京都の大学病院では、その日病院のサービス向上に関するアンケート調査をしていた。意見欄に大阪と神戸の病院の例を挙げ、待ち時間の表示をするようにと書いておいた。半年後が楽しみである。

(高田 忍)06/23/2017

これから眼球注射治療をと言われ戸惑っている方必見! 貴重な写真

写真で見て知る 硝子体内注射

 .早期発見、早期治療

パソコンの枠が歪んで見えたのは、3年前の8月27日であった。たまたま予約していた人間ドックの眼科で、一週間後の9月3日には、アイリーアという抗VEGF薬の注射をしていただいた。早期発見早期治療のお蔭で、その後2回の注射を受け安定状態を維持することが出来た。暫く控えていた車の運転も再開し、日常生活に不自由を感じることはなく過ごしてきた。

下の断層写真は、発症直後の治療前のものである。

発症当初の黄斑中心窩断層写

発症当初の黄斑中心窩断層写

 

その翌年2015月に度目の注射をしたが、それ以降ヶ月の間は安定状態が続いていた。下の写真は今年(2017年)16日のもので、特に異常は認められない。

治療後の黄斑中心窩断層写真

治療後の黄斑中心窩断層写真

 

2.薬の選択

ところが、それから3カ月後に定期検診を受けた際、医師から水(写真の黒い部分)が溜まっていると云われ、発症から度目の硝子体内注射をすることになった。

定期検診時、水(写真の黒い部分)が溜まっている

定期検診時、水(写真の黒い部分)が溜まっている

 

注射に先立ち、医師に質問を投げかけた。「一昨年までの注射はいずれもバイエル社のアイリーアであった。このほかに、ノヴァルティス社のルセンティスがあるはずだが、どちらを使うかを決める判断基準を教えて下さい」と。

医師の回答は、特に判断基準はなく自由裁量に任されているということであった。いずれの薬も、患者によって効果が異なるので一定の判断基準はないという。仮に甲という患者にAという薬に効果があれば使い続けるし、効果がなければBに変えるという。要するに基準はなく、試行錯誤で薬の選択が行われるように感じた。

 

3.注射

医師の了解を得て治療の光景を看護師に写真撮影してもらうことにした。

治療室に入った。注射に先立って、麻酔と消毒が看護師によって施された。最初の一滴は目に染みたが、二滴目からは何も感じなくなった。

点眼麻酔

点眼麻酔

麻酔と消毒を終え、注射を待っている光景である。

 

ベッドの上で待つこと20分、医師が手術着を着て現れた。注射の前に、眼に固定枠のようなものがはめられた。

固定枠装着

固定枠装着

次に医師は注射針を刺す位置を確認する。

注射位置確認

注射位置確認

 

注射は一瞬の内に終わる。麻酔をしているので痛みを感じることはない。

 

痛みを感じない注射、一瞬

痛みを感じない注射、一瞬

術後の消毒をして終了する。

術後消毒

術後消毒

そして固定枠を外す。

固定枠除去

固定枠除去

 

治療が終わると眼帯を掛けられた。翌朝までかけておくようにとの注意があった。三日間の目薬が処方された。

 

4.生命保険の給付金

治療を終え会計に行くと、眼帯をしていたので支払は機械でなく窓口でしてくれることになった。44400円である。これまでは「協会けんぽ」に加入していたので、一割負担の1万数千円で済んだ。昨年75歳になり後期高齢者医療保険に加入したため、割ではなく割負担が適用されたのである。

病院の前からタクシーに乗り、大阪梅田にある生命保険会社の窓口に立ち寄った。生命保険の手術特約に加入しているので、給付金の請求手続きをするためである。一昨年までは一回の注射に対して万円の給付金が出た。一割負担だと、お釣がくる勘定である。

しかし、2016年3月以降の手術から制度が変更になり、給付金が支払われなくなったという説明を受けた。治療費がもう少し安くならないものかと思いつつ、電車に乗り込んだ。

06/03/2017

抗VEGF薬の注射について、なぜ注射? 注射針穿刺位置、注射の深さ、薬剤の量

11/23/2019

近江商人の町を訪ねて

近江商人の町を訪ねて

日野祭

 

 日野は、近江八幡、五個荘と並ぶ近江商人を輩出した町である。現在も商社や百貨店はじめ多くの企業が活躍している。

 5月3日は日野祭の日である。午前11時に馬見岡綿向神社に16基の曳山が集まった。日野町は滋賀県で唯一残る町で人口22000人である。これだけの人口で16基の曳山を維持する地元の人たちの苦労は並大抵ではないと思った。いずれも1700年代から1800年代に作られた。


 曳山には、かつてこの地を治めた蒲生氏郷公や井伊直政、直虎など地元にゆかりのある人の像が掲げられていた。中には天秤棒を担いで行商をした近江商人の姿もある。

 近江商人の考え方は三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)といわれ、現代に通じる経営理念である。近江に本宅を置いて関東や東北で商売をしていた。

 曳山が神社から御旅所まで向かう本通りに面する家々では「桟敷窓」があった。板塀を一部切り取り、中に桟敷を作って曳山を見る。この土地ならではの光景である。

 

ある家の中を覗き込むと屏風が飾られ、その前で伝統料理を味わいながら祭りを楽しむようであった。

 

 

五箇荘

 

 ある商家には天秤棒が置かれていた。近江商人が天秤棒で運んだものは、麻などの商品ではなく商品カタログだという。近江商人は富山の薬売りの様な小売商ではなく、卸商であった。その頃から総合商社の役割を果たしていたという。

 近江商人の研究家、小倉栄一郎氏によると、地場産業が早くから発達していた。近江八幡の蚊帳、畳表、日野の塗椀、売薬、五個荘の麻布である。いずれも原料は他国産で、これを調達して農家に内職に出した。内職は分業で行われ、これを製品に仕上げ、問屋が販売するという仕組みが出来た。

 

 

 私小説家として知られる外村繁は五箇荘の呉服木綿問屋の商家の生まれである。生家には、家訓が展示されていた。

第一条 業務に勉励し、商店の利益増進を図るべし(売り手よし)

第二条 得意先は勿論、取引先下職に対しても言語動作を慎み大切に応接すべし

 

 外村繁は高校の大先輩である。その作品に昭和31年の真文学賞を受賞した「筏」がある。このほか「草筏」「花筏」がある。生家の門前に花筏が植えられていた。

 

 古い町並みが残され、街の中を流れる川には鯉が泳いでいた。また川には花壇が置かれ、季節の花が咲いていた。

 

関西の桜巡り

関西の桜巡り
万博記念公園(2017年4月9日)

先週来の雨が上がり、日曜日と重なって大勢の人で賑わっていた。曇り空で、少し物足りない気持であった。

花の丘のチューリップが咲き始め、ここでも多くの人が写真を撮っていた。

 

西宮・夙川堤の桜(4月10日)
この日は入学式と重なり、孫と撮影する風景が見られた。曇り空で、花の美しさが今一つ引き立たなかった。

海津大崎(4月14日)
海津大崎を訪ねた。海津大崎は琵琶湖の一番北にある桜の名所である。雲一つなく絶好の花見日和となった。いつもならJR湖西線は大津京でほとんどの乗客が下りるところ、マキノ駅まで混雑していた。
海津には江戸時代に加賀藩の蔵屋敷がおかれていた。日本海の海産物を、大津を経由して京、大坂へ運ぶ物流拠点の一つであった。
駅を出て湖の方へ向かうと大崎が見え、遠くに竹生島が浮かぶ。空と湖との青を背景にした花は見事であった。


江戸時代に築かれた水辺の石垣の景観もよく、いつまでも残したい日本の風景である。