街の中で見る間違い英語
街の中には英語があふれている。その中には間違い英語が多い。そのいくつかを写真で紹介する。
京都のスーパーマーケットの駐車場の写真である。たった二文字、最も簡単なスペルの間違いである。
ミススペル
「IN」が「NI」になっている。この会社の社長室に、写真を添えて「このようなミスを放置しておくことは、店の商品の品質に疑念を抱かざるを得ない」と記した手紙を送った。「ご指摘ありがとう」の返事はなかったが、一カ月後には直されていた。
箱根駒ヶ岳のロープウェイ乗り場の「プラットフォーム」は「PLATFORM」と「PLATFOME」が共存している。
辞書を引けばわかるのだが、なぜ違っていることに誰も気が付かないのだろう。箱根は外国人観光客の多い所である。広報部に手紙を送ったが反応はない。
この駅にはもう一つの間違いがあった。「足元に注意」の意味で、「WATCH YOUR STEPS」と「STEP」にSがつき、複数になっている。足元は一つしか見られないのだからかと思う。普通は「WATCH YOUR STEP」でSは付けない。
比較的多い間違いは「本日は閉店しました」のつもりで「CLOSE」が使われることだ。
この間違いは全国で見られる。営業中を表わす「OPEN」に対する言葉は「CLOSE」だと思い込んでいる。この場合の「OPEN」は形容詞的用法である。「CLOSE」の形容詞は「近い」という意味で「閉店」の意味はない。閉店は「CLOSED」が正しい。
これは自宅近くの食品店の店先である。20年以上気が付かないようだ。そこで、これも写真を添えて、「店の前を通る小中学校生が間違った英語を覚えると困る。」との手紙を送った。すると、店のラスクというお菓子を持ってお礼に来てくれた。
日本語には単数複数の概念がない。そこで間違いが起こる。複数の人が利用するトイレは、通常複数で表わされる。
大阪梅田の紳士用品の店のトイレの女性用は複数の「LADIES」だが、男性用は単数の「GENTLEMAN」となっていた。広報部に手紙を送った所、お礼の手紙が届き、ほどなく文字のない表示に替えられた。
神戸の病院では、いずれも複数だが、女性用は「LADIES」に対して、男性用は「MEN」となっている。神戸には紳士がいないらしい。
函館の湯の川温泉の大浴場は単数になったり複数になったりしている。9階の大浴場の正面の壁には男性が単数、女性が複数にした看板が張られている。ところが暖簾は、それぞれ反対になっている。ここにも手紙を送ったが、音沙汰無しである。
トイレがそもそも男性女性の区別があるから英語の間違いが起こる。スウェーデンでは男女の区別はない。
大きなホテル、小さなレストランでも例外なく同じトイレを利用する。英語の問題ではなく、男女平等の考えだろうか。日本では例えば劇場の休憩時間には、女性用は長蛇の列ができる。そうした不平等をなくす考えではないかと思う。しかし、同じトイレで女性が男性に見られながら、化粧が出来るか疑問である。もっとも、この写真では鏡はない、手を洗うだけである。英語では、トイレのことをREST ROOMというが、これではRESTどころではない。単に用を足す場所になってしまう。
ドイツのトイレ
ドイツのポツダムのレストランのトイレである。ドイツのジョークが小便器の上に貼られていた。ドイツではごみの分別収集が厳しい。そこで、ワインを飲んだ人は↓の小便器へという意味である。隣に「BIER」があった。ワインを飲んで出る尿と、ビールを飲んで出る尿を分けて排尿せよとのジョークである。
観光客で賑わう京都清水寺近くの参道で不思議な英語に出くわした。警告文なので、簡単に「DO NOT PASS」とすれば分かるのだが、わざわざ文章にしている。しかも、なぜ主語を「YOU」ではなく「I」にしているのか、よく意味が分からない。
今は取り払われていて見ることができないが、五条坂バス停近くの駐車場には「通り抜け禁止」の意味だと思う。「YOU CANNOT ABLE GO THROUGH」というのがあった。
高田 忍