高齢運転者(70歳以上)の免許更新手続き

高齢運転者(70歳以上)の免許更新手続き

今年(2017年)3月12日から、高齢者運転者の免許更新手続きが改正されました。下の図は警視庁のホームページからダウンロードしたものです。

高齢者運転免許更新

高齢者運転免許更新

1.75歳未満

更新期間が満了する日において、75歳未満の人は合理化講習(2時間)の後、免許更新される。

 

2.75歳以上

75歳以上は高齢者講習に先立ち認知機能検査を受けなければならない。

認知機能検査の結果が76点以上は75歳医未満と同じ合理化講習を、49点から75点は高度化講習、48点以下は医師の診断を受け高度化講習を受けるか、または認知症と診断された場合は免許取り消しの対象になる。

下の写真は兵庫県公安員会からのお知らせである。右の中央部分に検査の総合点についての説明があるが、真ん中の「49点~75点以上」は明らかに「49点~75点以下」の誤りである。

 

運転免許更新通知書

運転免許更新通知書

3.認知機能検査は記憶力、判断力の検査。検査時間は約30分である。

5問出題される。問題用紙、回答用紙と鉛筆が配られる。

(第一問)検査日の年月日、曜日、時間を記入する。検査開始前に時計を外すようにいわれる。

 

続いて正面のディスプレイに合計16枚の絵が映し出される。一画面に4つの絵が出され、全部で4つの画面が映される。

例えば、最初の画面では4つの枡の中に大砲、ラジオ、タケノコ、バラが描かれている。係員が、「電気製品は」と聞くので声を出して「ラジオ」と言って覚える。声を出すことは記憶の手助けになる。

 

(第二問)回答用紙には、一行に約10個の数字がならび、これが10行ほど書かれている。係員が黒板に例えば「1,3」と書くので、その数字を消し込んでいく。続いて「6,7,9」を消す作業を行う。

 

(第三問)先に示された絵を思い出しながら、回答用紙に言葉で書く。順序不同で、ひらがな、カタカナ、漢字を問わない。

 

(第四問)回答用紙には「1.武器」「2.電気製品」などと書かれている。「大砲」「ラジオ」などと書き込んでいけばよい。

 

(第五問)白紙の回答用紙に文字盤の入った時計の絵を描く。係員が、例えば「11時10分」というので短針と長針の区別が分かるように書き込む。

 

4.認知機能検査の通知は、免許証更新時期の約6か月前に3枚つづりのハガキで送られてくる。

ハガキには認知機能検査を受けられる同じ都道府県内の自動車教習所のリストが書かれている。自動車教習所はどこも繁忙である。ハガキを受け取ったら直ちに予約する必要がある。兵庫県西宮市の教習所の場合、4月にハガキが届き認知機能検査を受けたのは8月後半になった。

 

5.認知機能検査は検査当日にはわからない。

後日ハガキが届くので、あらためて合理化講習、又は高度化講習の予約をする必要がある。

 

6.公安委員会での運転免許証更新の予約は必要ではない。

 

その後の経過

8月22日に受検した認知機能検査の結果は92点で、記憶力判断力は問題ないとの判定でした。

問題は次の段階の高齢者講習の予約が取れないということです。

受検した西宮は年内は予約でいっぱい、明石は11月末まで、淡路島は島内以外の者は受付不可で、ようやく姫路で予約が取れましたが、免許失効の三日前という綱渡りです。

公安委員会からハガキが届いたら、住所地の便利な所にこだわらず、早く受験できるところを選ぶ必要があることが分かりました。

08/26/2017

抗VEGF薬注射の費用

抗VEGF薬注射の費用

抗VEGF薬注射の費用は、次のように定められています。

 

3割負担

1割負担

ルセンティス

60,000円

20,000円

アイリーア

57,000円

19,000円

 

但し、75歳以上の後期高齢者に対して、一か月の上限額が決められていますので、表の額を支払うわけではありません。

一か月の上限額は、3割負担の方は,57,600円、1割負担の方は14,000円と定められています。

実際に支払う額は次の表のようになります。

 

3割負担

1割負担

ルセンティス

57,600円

14,000円

アイリーア

57,000円

14,000円

 

 

75歳以上になるとこう変わる 健康保険と運転免許証更新

75歳以上の方へ

 

75歳の誕生日を迎えると、社会生活上これ迄とは異なる扱いを受けることになります。なかでも健康保険と自動車運転免許が大きく変わります

 

1.健康保険について

(1)加入する健康保険

75歳になるまでは、多くの人は国民健康保険か協会けんぽに加入していました。75歳以降は後期高齢者医療保険に加入することになります。これは、だれでも加入が義務付けられる公的な保険です。

被保険者証はこれまでと違って紙の被保険者証に変わります。

保険証

保険証

 

(2)保険料

支払う保険料は各市役所から送られてきます。これには、算出根拠や月ごとの保険料の納付金額が書かれています。

決定通知書

決定通知書

 

 

(3)高額療養費の上限額

被保険者証には3割負担か1割負担かが記載されています。これは、同一所帯の後期高齢者医療の被保険者全員の住民税課税所得で決められます。

145万円未満が1割負担、145万円以上が3割負担です。

加齢黄斑変性の抗VEGF薬の注射をした場合のように一か月の治療費が高額になった時、自己負担限度額を超えた額が高額療養費として支給されます。

すなわち、平成29年は8月から1か月の自己負担上限額が1割負担の方は14,000円、3割負担の方は57,600円となります。

例えば、抗VEGF薬の注射をして、3割負担の方が57,600円の請求をされ支払ったとします。同じ月に同じ病院で内科の健診を受けた場合、新たに請求されることはありません。別の病院で支払った場合は、あらかじめ市に届け出た口座に振り込まれます。この手続きを忘れると時効になる恐れがあります。

月ごとの自己負担上限額

月ごとの自己負担上限額

 

 

57,600円という高額療養費を少しでもカバーするために、民間の保険会社の医療保険に加入することを考えている人がいるかもしれません。

 

テレビなどでよく宣伝しているので、興味があるかもしれません。その場合は、良く検討する必要があります。病名に「加齢」がつくと給付対象にならない保険があります。給付対象になる保険であっても、支払う保険料と受け取る給付金を比較、損得を計算して判断することをお勧めいたします。

 

 

 

2.自動車運転免許について

自動車運転免許の更新時のほぼ6カ月前に、各都道府県の公安委員会から「認知機能検査、高齢者講習のお知らせ」といハガキが届きます。今までの高齢者講習(講義)に先立ち、認知機能検査を受けなければなりません。

 

公安委員会からの通知

公安委員会からの通知

 

問題は、この認知機能検査が大変混み合っているということです。ハガキが届いたら直ちにハガキに記載の自動車教習所に電話して予約を取りましょう。具体的には、西宮市のある教習所の場合、予約が取れたのは4カ月先でした。

認知機能検査の後、講習、実技となりますので、あまり時間はありません。

 

病院の待ち時間

病院の待ち時間

1.二つの病院

75歳になった今、通院している病院が二つある。一つは京都の大学病院である。2010年9月から11月まで前立腺癌の放射線治療を受け、経過観察のために6カ月に一回の頻度で、血液と尿検査を受け、医師から説明を受ける。

もう一つは大阪の民間病院である。定年後痛風に罹った。尿酸値だけでなく中性脂肪やコレステロールの値が高い。3カ月に一回の頻度で血液と尿検査をして医師に薬の処方をしてもらう。どちらも検査内容は同じである。

 

2.受付から会計までの時間

京都の大学病院は6月2日に訪れた。診察券を読み取り機に入れ受付したのが9時30分で会計が終わったのが12時30分であった。一方、6月22日に訪れた大阪の病院は8時30分に受付し、支払いが終わったのは10時30分であった。同じ検査をしても、一時間の差がある。次のような比較表を作成した。

 

京都の大学病院

大阪の民間病院

病名

前立腺癌

痛風、生活習慣病

検査内容

尿検査、血液検査

尿検査、血液検査

受付から血液検査まで

45分

40分

血液検査から診察まで

1時間25分

1時間

診察終了から会計まで

50分

10分

 

3.待ち時間情報

大学病院の時間が長いのは、患者数が圧倒的に多いことが理由の一つである。しかし、会計の計算などは標準化すれば瞬時にコンピュータで計算出来るはずだが、なぜ50分もかかるのか理由が良く分らない。

長時間以上に困るのは、この大学病院では患者に待ち時間を知らせる仕組みがないことである。病院に着き診察カードを読み取り機に入れると、パナソニック製の呼び出し機が出てくる。この携帯電話のような機器から、患者ごとにメッセージが届く。「診察室前でお待ちください」「診察室にお入りください」「会計ができました」というメッセージが流れてくる。何分待つのかの情報はない。

驚いたことに、血液検査が終わってもいないのに「診察前でお待ちください」の表示がでた。

パナソニック製呼び出し機

パナソニック製呼び出し機

 

 

4.物理的時間と心理的時間

時間には、物理的時間と心理的時間がある。待ち時間が長いと感じるのは心理的時間が長いからである。あと何分待つのかという情報が与えられると、長時間待っても苦にならない。その間、本を読むなどのこともできる。

大阪の病院は心理的時間が短くなる様な工夫をしている。段階ごとに待ち時間が分かるようになっている。血液検査室には番号が表示され、待ち時間、待ち人数が表示される。

血液検査室前、番号と、右隅に待ち時間、待ち人数が表示

血液検査室前、番号と、右隅に待ち時間、待ち人数が表示

  

 

検査が終わると、次は診察を待つだけである。血液検査のために朝食を抜いてきた。朝食を食べるレストランにも診察番号が表示されるばかりでなく、スマホにも情報が提供される。診察が遅れると「30分遅れ」などの表示が出る。

スマホの番号表示

スマホの番号表示

  

診察室前、診察の遅れ「15分」が表示されている。

診察室前、診察の遅れ「15分」が表示されている。

  

会計も番号表示されるので、おおよその待ち時間を推定できる。

会計の番号表示

会計の番号表示

  

 

隣接する薬局も待ち時間を表示している。

薬局の表示、番号と待ち時間

薬局の表示、番号と待ち時間

  

 

5.同じパナソニックの呼び出し機

同じパナソニックの呼び出し機を使っている病院が他にもある。他人のiPS細胞を使って加齢黄斑変性の臨床研究をしている神戸中央市民病院である。ここでは、呼び出し機で「Cゾーンでお待ちください」の案内がされる。Cゾーンの待合室には番号表示番がある。そこで待っていると、間もなく「診察室前でお待ちください」の案内がある。確認ボタンを押して、暫くすると「診察室にお入り下さ」となる。問題は確認ボタンを押し忘れると、診察が後回しになることだ。

神戸中央市民病院の表示板

神戸中央市民病院の表示板

   

 

6.支払った医療費

支払った医療費は、京都の病院が3300円であった。ところが、同じ検査内容でありながら大阪の病院は無料であった。会計に何かの間違いではないかと聞くと、間違いではないという。今月初めに眼科で抗VEGF薬の硝子体内注射で44400円支払っていて、一か月の上限を超えているからとの説明であった。

 

京都の大学病院では、その日病院のサービス向上に関するアンケート調査をしていた。意見欄に大阪と神戸の病院の例を挙げ、待ち時間の表示をするようにと書いておいた。半年後が楽しみである。

(高田 忍)06/23/2017

これから眼球注射治療をと言われ戸惑っている方必見! 貴重な写真

写真で見て知る 硝子体内注射

 .早期発見、早期治療

パソコンの枠が歪んで見えたのは、3年前の8月27日であった。たまたま予約していた人間ドックの眼科で、一週間後の9月3日には、アイリーアという抗VEGF薬の注射をしていただいた。早期発見早期治療のお蔭で、その後2回の注射を受け安定状態を維持することが出来た。暫く控えていた車の運転も再開し、日常生活に不自由を感じることはなく過ごしてきた。

下の断層写真は、発症直後の治療前のものである。

発症当初の黄斑中心窩断層写

発症当初の黄斑中心窩断層写

 

その翌年2015月に度目の注射をしたが、それ以降ヶ月の間は安定状態が続いていた。下の写真は今年(2017年)16日のもので、特に異常は認められない。

治療後の黄斑中心窩断層写真

治療後の黄斑中心窩断層写真

 

2.薬の選択

ところが、それから3カ月後に定期検診を受けた際、医師から水(写真の黒い部分)が溜まっていると云われ、発症から度目の硝子体内注射をすることになった。

定期検診時、水(写真の黒い部分)が溜まっている

定期検診時、水(写真の黒い部分)が溜まっている

 

注射に先立ち、医師に質問を投げかけた。「一昨年までの注射はいずれもバイエル社のアイリーアであった。このほかに、ノヴァルティス社のルセンティスがあるはずだが、どちらを使うかを決める判断基準を教えて下さい」と。

医師の回答は、特に判断基準はなく自由裁量に任されているということであった。いずれの薬も、患者によって効果が異なるので一定の判断基準はないという。仮に甲という患者にAという薬に効果があれば使い続けるし、効果がなければBに変えるという。要するに基準はなく、試行錯誤で薬の選択が行われるように感じた。

 

3.注射

医師の了解を得て治療の光景を看護師に写真撮影してもらうことにした。

治療室に入った。注射に先立って、麻酔と消毒が看護師によって施された。最初の一滴は目に染みたが、二滴目からは何も感じなくなった。

点眼麻酔

点眼麻酔

麻酔と消毒を終え、注射を待っている光景である。

 

ベッドの上で待つこと20分、医師が手術着を着て現れた。注射の前に、眼に固定枠のようなものがはめられた。

固定枠装着

固定枠装着

次に医師は注射針を刺す位置を確認する。

注射位置確認

注射位置確認

 

注射は一瞬の内に終わる。麻酔をしているので痛みを感じることはない。

 

痛みを感じない注射、一瞬

痛みを感じない注射、一瞬

術後の消毒をして終了する。

術後消毒

術後消毒

そして固定枠を外す。

固定枠除去

固定枠除去

 

治療が終わると眼帯を掛けられた。翌朝までかけておくようにとの注意があった。三日間の目薬が処方された。

 

4.生命保険の給付金

治療を終え会計に行くと、眼帯をしていたので支払は機械でなく窓口でしてくれることになった。44400円である。これまでは「協会けんぽ」に加入していたので、一割負担の1万数千円で済んだ。昨年75歳になり後期高齢者医療保険に加入したため、割ではなく割負担が適用されたのである。

病院の前からタクシーに乗り、大阪梅田にある生命保険会社の窓口に立ち寄った。生命保険の手術特約に加入しているので、給付金の請求手続きをするためである。一昨年までは一回の注射に対して万円の給付金が出た。一割負担だと、お釣がくる勘定である。

しかし、2016年3月以降の手術から制度が変更になり、給付金が支払われなくなったという説明を受けた。治療費がもう少し安くならないものかと思いつつ、電車に乗り込んだ。

06/03/2017

抗VEGF薬の注射について、なぜ注射? 注射針穿刺位置、注射の深さ、薬剤の量

11/23/2019

セカンドオピニオン

セカンドオピニオン

今まで聞いたこともない病気や難病に罹(かか)ると、誰しも今受けている治療法でいいのかと不安になることがある。先生の言葉足らずや一寸した不用意な言葉に接するとなおさらである。尤も、こうした先生の言葉使いは、患者の側の感情的な態度に影響している側面があるかもしれない。コミュニケーションには双方に問題がある。


いずれにしても、患者にとっては信頼できる医師の下で安心して治療を受けるのが望ましいが、そのような医師を探すのは容易なことではない。このような治療に対する不安を解消する方法の一つがセカンドオピニオンである。


6年前、妻が大阪の大学病院で血液癌(けつえきがん)の一つである骨髄異形成症候群(こつずいいけいせいしょう)と診断された。満室のため自宅近くの市民病院に入院することになった。担当の先生は無神経にも「一年後の生存率」を口にした。そして、抗ガン剤治療を行うという。この治療法で本当にいいのかと思い、セカンドオピニオンをとることにした。


問題は、どの病院の、どのような医師の意見を聞くかである。インターネットで治療実績の多い病院を検索した。その中から京阪神に限定せず、名古屋から岡山まで範囲を広げた。病状の進み具合で三回、それぞれ二人の先生、合計六人の先生から意見を聞いた。


結果は、どの先生も特に異なる治療法を示すことはなかった。それでも病院によっては、一人の先生だけで判断せず、他の医師と協議して丁寧な説明書を書いてくれるところがあった。また、他の病院の知り合いの医師にその場で電話してくれる先生もいた。

そうしたなかで、神戸の病院の先生は人柄もよく信頼できると判断したので転院することにした。おかげさまで、この先生の下で治療を受けた結果、生存率20%になるといわれた一年どころか、さらに半年も長く生きることが出来た。この先生の医療技術もさることながら、安心して療養生活を送ることが出来たからだと思っている。


セカンドオピニオンは病気の診断が正しいか否かを聞くためではない。その治療法が妥当かを聞くものである。癌であれば、手術か放射線投射かを選ぶことが出来る。最近はオブジーボという薬もある。


しかし加齢黄斑変性の場合は、治療法は限定されている。選択肢が多いわけではない。違った治療法を示される可能性は少ないと思う。とはいえ、今まで抗VEGF薬の注射をしてきたのに、これからは必要ないなどといわれることもある。すると何もしなければ悪化して、最悪の場合は失明するのではないかと不安になる。


安心するためにセカンドオピニオンをとる価値はある。先ず、病院を探すことから始まる。私であれば、やはり妻の時にしたようにインターネットで治療実績の多い病院を調べる。他に、製薬会社のホームページの病院検索を利用する。どちらも共通する病院が並んでいるので、その中から病院を選ぶことになる。


セカンドオピニオンは患者のための制度である。今罹っている先生の恩義に反するのではないかと心配する必要はない。手続きは、病院の「地域医療センター」というような名称の患者相談窓口が教えてくれる。  (髙田  忍)